加湿器に日常的なお手入れが重要です。お手入れを怠ってしまうと、カビや菌が繁殖し加湿器病という病気にかかってしまう恐れがあり、症状が重篤化すると肺炎になってしまう危険性があります。加湿器病とは？どんな菌が繁殖して、私たちにどんな影響を及ぼすのか？そうならないためにはどのような対策を打てばいいのかについて解説します。

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そもそも加湿器病とは？

加湿器から噴霧されるミストを吸い込むことでなると言われている加湿器病について解説します。

過敏性肺臓炎という病気

加湿器が原因でかかる加湿器病（過敏性肺臓炎）をご存じでしょうか。加湿器病とは、加湿器のタンク内で繁殖した雑菌やカビによって、身体がアレルギー反応を起こす病気のことです。

体にでる症状は、咳、たん、寒気、発熱、悪寒、、頭痛などがあり、風邪の症状にしても似ています。

さらに症状が悪化すると倦怠感や意識障害、肺炎などを発症します。

 

加湿器病が原因で亡くなった事例

2022年1月13日のウェザーニュースサイトの記事では、横浜鶴見リハビリテーション病院の吉田勝明院長が加湿器病の原因について、横浜鶴見リハビリテーション病院の吉田勝明院長が次のように語っています。

 

「加湿器病は加湿器の中に発育したカビや、レジオネラ菌などの菌を吸い込むことで起こります。カビ自体は病原性が弱く肺に直接炎症を起こさせることはありませんが、肺や気管支がカビによるアレルギー反応を起こすことが“加湿器病”の原因となっています。専門的には、“加湿器病”は過敏性肺臓炎というアレルギー性肺炎の一種なので、通常の肺炎の治療薬である抗菌薬(抗生物質)は効果がありません。症状は発熱、せき、息苦しさなど通常の肺炎と同じです。重症の場合には呼吸状態が悪化して、入院が必要になるケースもあります」

因みに2018年に大分の高齢者施設で80～90代の入居者が加湿器で繁殖したレジオネラ菌が原因の「レジオネラ症」に3名が感染し、内1名が亡くなりました。

 

 

レジオネラ菌ってどういうもの？

加湿器病の原因のひとつであるレジオネラ菌は、土の中や湖沼など自然界に普通に生息している細菌です。菌の数が少なければ特に影響がないのですが、この菌は閉鎖または澱んだ人工環境水下で増殖するため、異常に繁殖した菌は人体に害を及ぼします。
そして特に手入れが悪い加湿器は、まさにレジオネラ菌など雑菌やカビが爆発的に増殖する格好の場所なのです。ほんのわずかな水分でも長時間溜まって澱んでいるとレジオネラ菌は増殖し続けます。
加湿器から排出されるレジオネラ菌に汚染されたエアロゾル(目に見えない細かい水滴＝ミスト)を肺に吸い込むことで、時には死をもたらすほど重篤な肺炎症状を引き起こしてしまうのです。特にレジオネラ菌からの発症は免疫力の低い新生児や高齢者がかかりやすいため、加湿器を使用する際はこまめなお手入れが必要です。

加湿器を清潔に保つ方法

加湿器のタンクに入れる水道水には少量の塩素が含まれており、カビが生えにくくなっています。しかし、水道水内の塩素の殺菌効果は長く続かないため、タンクの中に水を入れたままにしておくと雑菌が繁殖してしまいます。加湿器を清潔に保つには、以下の３点が重要です。

1.タンクの水をこまめに入れ替える

2.定期的に掃除をする

3.使用しないときは水を抜いて乾燥させる

 

タンクの水を毎日入れ替える

レジオネラ菌は水のぬめり内で増殖するので、前日残った水をそのまま使ったり、継ぎ足したりするのはNG。タンクの水は毎日入れ替えるようにしましょう。少量の水を入れてから振り洗いをすると、タンク内を清潔に保つことができます。加湿器用の除菌剤などを必要に応じて使うのも、カビを発生させないためには必要となるでしょう。

 

定期的に掃除する

常に水に濡れた状態のタンクやフィルターは雑菌やカビが繁殖しやすくなっています。1～2週間に1回は念入りな掃除が必要です。フィルターは水洗いしたあと、清潔な布で優しくふき取り、トレイはスポンジでこすり洗いします。

 

使用しない時は水を抜いて乾燥させる

長期間使用しないとき、水を抜いただけでは残った水滴から雑菌が増殖する可能性があります。水を抜いたあとは、水分をよく拭き取りしっかりと乾燥させましょう。  

寒い日には暖房の使用によって室内が乾燥しがちです。部屋の湿度を適切に保つために加湿器を利用することは健康上良いことです。
但し、正しい使い方をしないと逆に人体に悪影響をもたらすこともあるということも知っておく必要があります。加湿器を正しく利用するためには、取り扱い説明書をよく読んで、いつも清潔な水蒸気が排出されるように、前述の３点をしっかり守ることが大切です。
しかし、“言うは易し行うは難し”です。常に加湿機能が清潔で正常な状態に保たれるように、徹底した管理や手入れを使う度に毎回継続して行うということは意外と手間がかかるものです。